ChaosGroupは Project Lavina で、リアルタイムレイトレーシング技術を検証中

公開日:2018/08/17 


オリジナルはこちらの記事

ChaosGroupはこのSIGGRAPH 2018にてChaos製品の真の新しいメンバーである "Project Lavina" を初披露します。

Lavina*は、「RT Core」として知られているNVIDIAの新世代レイトレーシングシリコンを活用するために作られたもので、創造性の「avalanche(なだれ)」をもたらします。

*「Lavina」はブルガリア語で「なだれ」の意味

ChaosGroupは10年前のSIGGRAPH 2008で初めてのGPUアクセラレーション・レイトレーシングを披露しました。このプロジェクトは高速プレビューレンダラー(V-Ray RT)として始まり、現在はフル機能のプロダクションレンダラー(V-Ray GPU)へと進化してきました。

ChaosGroupではV-Ray RT/GPUの開発で単一のレンダラーではユーザーが望む高速性と多機能性を提供できない事を学びました - 高速性と機能性は必ずトレードオフとなる為です。プロジェクトLavinaではリアルタイム性のみに集中することでこのジレンマを解決しました。もちろんV-Ray GPUが無くなる事はなく、高速なGPUファイナルレンダラーとしてにさらに進化し続けています。

 

 

Lavinaは、既存の統合環境とワークフローをすべて活用できるChaosGroupのエコシステムの不可欠な部分になるように設計されています。ラスタライズ+リアルタイムレイトレースの組み合わせとは異なり、Lavinaは純粋なリアルタイム・レイトレーシングエンジンでは、リアルタイムで表示する為に追加の作業は必要ありません。 Lavinaを使用すると、オリジナルのデータはそのままリアルタイムで表示されます。つまり、すでに使用しているV-RayにLavinaエンジンが追加されると、現在のレンダリングワークフローで自動的にリアルタイムレンダリングが可能となります。

SIGGRAPH 2018で公開したデモンストレーションでは、専用のスタンドアロンのアプリケーションでLavinaを実行しました。このテクノロジは非常に新しく、ChaosGroupは昨年の春にMicrosoftのDirectX DXR拡張機能にアクセスした最初の企業の1つです。現在はNVIDIAの最新ハードウェアの初期バージョンでテストしています。このSIGGRAPHデモで示しているのは、これから可能になる事の始まりに過ぎません。最初のスタートとしては非常に印象的です ー デモ映像をぜひ御覧ください。

 


このビデオは、3ds MaxおよびMayaからエクスポートされたvrsceneを使用してLavinaで表示した画面のスクリーンキャプチャです。 GPUにQuadro RTX 6000を1台搭載したLenovo ThinkStation P920ワークステーションでProject Lavinaを実行しています。シーンは純粋にレイトレーシングのみでラスタライズは行っていません、HD解像度でリアルタイムのフレームレートで動作しています。マテリアルとライティングはvrsceneからの直接変換であり、グローバルイルミネーションを有効にしています。非常に速いレイトレースである事がわかります! しかも驚くべき事はシーンサイズです! とてもBIGなシーンです。

ラスタライズエンジンとは異なり、ピュア・レイトレーシングの重要な利点の1つはシーンデータが大きくなってもスピードに殆ど影響は無い点です。ビデオ中のそれぞれの樹木は2~400万トライアングルで20個以上のユニークな樹木があります。地形は約1億トライアングル、森林は80,000以上のインスタンスを持ちます。シーンには合計3,000億以上のトライアングルがあります。また、カリングやスワップ、LOD等は無く、ジオメトリがすべてそのままレイトレース処理されています。Lavinaでは、GPUメモリに収まらないデータを「アウトオブコア」する事で最終的にはより多くのジオメトリを扱うことができるようになる予定です。


よくある質問と回答

Lavinaは何で構築されていますか?

Project LavinaはDXRを使用している為、複数のベンダーのGPUで動作させることができます。また来る Turing GPUの NVIDIA "RTX"クラスで RT Coreを活用できます。 HLSLで記述された新しいChaosGroupのリアルタイムデノイザーによって、ほぼすべてのGPUで動作可能で、フレームにノイズや「コンバージェンス(FireFly)」が無いに気づくでしょうか。ChaosGroupではVRヘッドセットに適したスピードと解像度で、ノイズフリーのレイトレーシングを実現することを目指しています。


どれくらい速いですか?

今回のLavinaデモではNVIDIAのTuring GPUのRT Coreを使っています。どのくらい早いのかは、それを使用しないバージョンを持っていないため比較する事が難しいです。しかしこれは全く新しい世代の幕開けと考えられます。ChaosGroupはいち早くその技術を導入しています。


いつぐらいから使えますか?

これに関しては非常に多くの問い合わせがあります。私達が言える事はまだ研究開発の初期段階であり、具体的な内容なまだ何も決まっていないという事です。ChaosGroupは十分に実用的で高品質な物しか販売しません。LavinaエンジンはV-Rayでもcoronaでも利用できるようにする予定です。販売できる段階になった時にアナウンス致します。


V-Ray GPUはどうなるんですか?

Project Lavinaで得られた結果はすでにV-Ray GPUにフィードバックされており、SIGGRAPH での V-RayDayでも実演されています。最も顕著な成果の1つはIPRにおけるシーンの更新が非常に高速になっています。 V-Ray GPUには、Lavinaで開発されたアウトオブコアワークが導入される予定であるため、最小限のメモリ制限で超高速なプロダクションレンダリングができるようになるでしょう。

最後に:今回のデモは、全く新しい、最先端のハードウェアで実行されている私たちの研究の最初の結果に過ぎません。我々はLavinaをゲームチェンジャーと見なしています。ハードウェアやドライバの仕様がさらに開放され深くテストできるようになったらまたブログで告知します。私たちが知っていることは、レイトレーシングの将来は、これまで考えられていたよりも速く進化しているという事です。私達はその成果をユーザーと共有できる日が待ちきれません。