Chaos社セルフサービスポータルとコーポレートサインインを提供開始
Chaos社は原則「1社1Chaosアカウント(1つのEmailアドレス)」という決まりでライセンスを販売しています。
この規則により、会社で複数のライセンスを購入する場合、全てを1つのChaosアカウント(1つのEmailアドレス)で使用する必要がありました。
例えば、(フローティングを使用せずに)所有する複数のライセンスを社内で使用する場合に、V-Rayを使用する社員全てにChaosアカウントのログイン情報(Emailとパスワード)を共有する必要がありました。
しかしながら、ようやく2021年10月よりChaos社は管理者による一元管理サービス「コーポーレートサインイン」と「セルフサービスポータル」(略してSSP)機能の提供を開始致しました。
簡単に説明すると:
「コーポレートサインイン」は、Chaosアカウントへのユーザー登録、ログインをAzure Active Directory等の他社のアカウント認証マネージメントサービスで一元管理できる機能です。
「セルフサービスポータル(SSP)」は、Chaos製品ライセンス(とChaosクラウドクレジット)を複数のメンバー(Chaosアカウントへ)の分配管理できる機能です。メンバーは個別にChaosアカウントに登録が必要です。
こちらに操作ドキュメントページを設けていますので、ご参照ください。
特に「セルフサービスポータル(SSP)」は、ようやく対応した待望の機能ではないかと思います。会社の管理者の方が、社員のChaosアカウントにライセンスを期間を指定して割り当てたり、また任意のタイミングで割り当てを削除したり、Chaosクラウドクレジットを社員に上限額を指定して使用させたりする事ができます。
「コーポレートサインイン」および「セルフサービスポータル(SSP)」を使用するには、Chaos(株式会社オーク)に申請が必要です。こちらを参考に管理者の顧客番号(customer number)を調べてお知らせください。
Chaosオンラインライセンスサーバーのおさらい
Chaosのオンラインライセンスに関して仕組みが分かりにくいという質問が多くありますので、ここでよくある疑問を解消してみたいと思います。
よくある質問として以下があります:
- V-Ray 3 + ドングルをご利用のユーザー様が、オンラインライセンスに変更する場合、設定にどれくらい手間がかかるか
- クローズドな環境(非インターネット接続)での利用できるかどうか
- ライセンスサーバーの運用方法 (個別接続 or フローティングライセンス)
- パソコンを買い替えたり、クラッシュした場合ライセンスはどうなる?
V-Ray 3 + ドングルをご利用のユーザー様が、オンラインライセンスに変更する場合、設定にどれくらい手間がかかるか
まず、こちらを参照の上ドングルライセンスをオンラインライセンスに変換します。
変更したら、現在のライセンスサーバー(ドングルを接続していたPC)でオンラインライセンスを有効化します。必ず、オンラインライセンスを変換したChaosアカウントでログインしてください。
基本的にこれだけです。ドングルサーバーに接続していたクライアント(子機)に設定変更はありません。
オンラインライセンスとドングルライセンスの違いを図に表すと以下になります
簡単に言うと、大元のライセンスの参照先がインターネットかドングルかの違いだけです。
クローズドな環境(非インターネット接続)での利用
この場合ライセンスを借用処理します。借用する事で2週間もしくは1年間インターネットから離れたクローズドな環境でライセンスサーバーを稼働できます。
なお、借用方法には以下の2通りがあります
- 一度ライセンスサーバーマシンをインターネットに接続して通常通りオンラインで借用処理してから切断するケース
- 完全にオフラインの環境のまま借用処理するケース(ファイルを使ってインターネット接続できる別のマシンで認証)
借用したライセンスサーバーはフローティングライセンスサーバーとして利用する事ができます。
ライセンスサーバーの運用方法 (個別接続 or フローティングライセンス)
オンラインライセンスは次の2通りで運用する事ができます。
(特に手続きや費用は必要なく、自由に両方を切り替えできます。)
個別に接続する方法
各アーティストのマシンが直接インターネットに接続してライセンスを取得するケース
この場合、社内にフローティングライセンスサーバーマシンは不要です。なお、各アーティストマシンにChaosライセンスサーバープログラムをインストールして、Online LicenseをSign inしておく必要があります。各アーティストマシンのV-Rayライセンス参照先は自分自身(Localhost)になります。
フローティングライセンスサーバーで運用する方法
フローティングライセンスの場合、ライセンスサーバーだけがインターネットに接続している必要があります。ライセンスを借用したマシンをフローティングライセンスサーバーとして使う事もできます。アーティストのマシンはインターネット接続は不要です。Chaosライセンスサーバープログラムのインストールも不要です。アーティストのマシンのV-Rayライセンス参照先はフローティングライセンスサーバーマシンのホスト名(もしくはIPアドレス)になります。参照先の変更方法はこちら
パソコンを買い替えたり、クラッシュした場合ライセンスはどうなる?
Chaos社のオンラインライセンスはパソコン本体にロックされません。ライセンスは使う毎にインターネットから取得され、アプリケーションを終了すると自動的に返却されます。パソコン内に保持されません。
なので、新しくパソコンを買い替えたらV-Rayをインストールして、Chaosライセンスサーバープログラムの管理画面(http://localhost:30304/#/)アクセスして Online Licensing を有効化(サインイン)するだけです。
また、10台パソコンがあれば10台にV-Rayをインストールし、Chaosライセンスサーバープログラムの管理画面(http://localhost:30304/#/)アクセスして Online Licensing を有効化(サインイン)しておけば、10台のパソコンでV-Rayを使う事ができます。ただし同時に起動できるのは購入したライセンス数までとなります。
パソコンのローカルハードウェア情報にロックされないので、仮想環境でもライセンスをご利用いただけます。
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